2012年5月24日木曜日

にゅるにゅる、びゅいーん。


 関西国際大学には、センタープログラムという取り組みがあります。各教員が、授業時間以外に様々な講座を催すものです。単位も出ませんし、出席の義務もありません。それでも学生たちは、好きなプログラムに参加するのです。o-oはこの春期に、「描いたり、つくったり、みたり。」というタイトルのプログラムを行っています。


 今日は参加者の3年生から、実習の際に「絵を描くのに抵抗感を持っている子供に対して、どのように接していけばいいのですか」という疑問が出ました。急遽前回のつづきは次回に回すことにして、子供たちの絵画活動の導き方について教えることにしました。


 保育者は、何かのテーマに幼児に絵を描かせるとき、「目的」をはっきりさせて指導しがちです。しかしながら幼児は、「材料」や「素材」からもスタートできますし、「技法」や「道具」からもスタートできます。「目的」は後からついてくることも往々にしてあるのです。そんな幼児の造形過程を理解すると、絵を描かせる前(直前という意味ではなく、日頃から)に、材料や素材、技法や道具との関わりをじゅうぶんに保障しておくことが肝要であることが理解されます。そんなことを講義しているうちに、それでは絵の具と仲良くなる遊びを実際にしてみましょうということで、「フィンガーペインティング」に取り組みました。アメリカのルース・ショウ女史が考案した活動(1934)で、何かを描くためではなく、心の解放をねらいとしたものです。もちろん、筆を介さない分、直接絵の具と仲良くなれます。


 フィンガーペインティングを通して絵の具と仲良くなるにしても、指導者にはちょっとした工夫が要求されます。どんな色の絵の具を用意すればいいでしょう?紙にはどんな工夫をすればいいでしょう?伸びをよくするには?手を洗ったとききれいに絵の具が落ちるようにするには?絵画活動にスムーズに結びつけていくには?どんな言葉がけをしていくの?などなど。たった90分ながら、充実した学びとなりました。

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